梅若能楽学院 学院長

56世 2代 梅若 玄祥(うめわか・げんしょう)

観世流シテ方 梅若家当主 56世梅若 六郎 二代梅若 玄祥
重要無形文化財各個認定(人間国宝)保持者
日本芸術院会員
日本能楽会理事
(公財)梅若会代表理事
梅若能楽学院学院長
(公社)日本演劇協会理事
能楽企画「狐陸」代表

現在、人気、実力ともに第一人者として活躍.。廃絶された能の復曲、新作能の上演も積極的に携わり、様々な演出を試みるなど、今日に生きる古典芸能としての能を支えているとともに、海外への能の紹介にも意欲的で、海外初の能面・装束の展覧会を開いたほか、アメリカ、フランス、オランダ、ロシアでも公演。ホール能の先駆者的存在でもある。また、能楽界のみならず国内外の様々な分野の芸術家達に、「幸運にも今、我々が目にすることが出来る人類の宝」の一人として崇拝され常に注目されている。

主な経歴

1948年(昭和23年) 2月16日生。本名善政、以後、景英、六之丞、紀彰と改名
1951年(昭和26年) 能「鞍馬天狗」子方にて初舞台。
1954年(昭和29年) 能「猩々」にて初シテを勤める。
1958年(昭和33年) 能「鷺」を披く。
1961年(昭和36年) 能「翁」千歳を披く。
1965年(昭和40年) 能「道成寺」を披く。
1969年(昭和44年) 能「翁」を披く。
1979年(昭和54年) 梅若六郎家当主継承。(財)梅若会理事長および梅若能楽学院 学院長に就任。
1980年(昭和55年) 能「谷行」芸術祭優秀賞受賞。
1984年(昭和59年) 能「卒都婆小町」を披く。
1986年(昭和61年) 重要無形文化財総合指定(能楽)
1987年(昭和62年) 芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
1988年(昭和63年) 56世梅若六郎を襲名。
1989年(平成1年) (社)能楽協会理事に就任。
1991年(平成3年) 大阪文化祭賞本賞受賞。
秘曲 能「姨捨」を披く。
1994年(平成6年) 第1回讀賣演劇大賞演出家部門 選考委員特別賞受賞。
1995年(平成7年) 「渇水龍女」復曲で松尾芸能賞受賞。
1996年(平成8年) 観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。
1999年(平成11年) 讀賣演劇大賞 主演男優部門優秀賞受賞。
日本芸術院賞受賞。
2005年(平成17年) 日本能楽協会理事に就任。
2006年(平成18年) 紫綬褒章受章。
2007年(平成19年) 芸術院会員就任
2008年(平成20年) 12月8日 二代梅若玄祥に改名
2014年(平成26年) 重要無形文化財保持者各個認定(人間国宝)

業績

国内(演出、作調、能本補綴含む)

1983年(昭和58年) 551年ぶりに能「大般若」を復曲、上演。
1984年(昭和59年) 新作能「實朝」上演 作 宇野信夫。
1987年(昭和62年) 復曲能「生贄」上演。
1994年(平成6年) 復曲能「護法」上演。
1995年(平成7年) 460年ぶりに能「渇水龍女」を復曲、上演。
1997年(平成9年) 復曲能「当願暮頭」上演。
新作能「伽羅紗」上演。 作 山本東次郎。
新作能「額田王」上演。 作 馬場あき子。
1998年(平成10年) 新作能「空海」上演。 作 堂本正樹。
1999年(平成11年) 新作能「ジゼル」上演。 脚本 水原紫苑。
新作能「夢浮橋」上演。 作 瀬戸内寂聴。
2001年(平成13年) 新作能「安倍晴明」上演。 原作 吉田喜重。
2002年(平成14年) 新作能「不知火」上演。 作 石牟礼道子。
2003年(平成15年) 新作能「蛇」上演。 作 瀬戸内寂聴。
2005年(平成17年) 新作能「小野浮舟」上演。 作 馬場あき子。
オペラ「カーリュウ・リヴァー」初演出。
能楽劇「夜叉ヶ池」上演。 原作 泉 鏡華。
2006年(平成18年) 新作能「紅天女」上演。 原作 美内すずえ 脚本 植田 紳爾。

主な海外公演

1989年(平成1年) ベルギー公演「ユーロパリア・ジャパン」。同時開催:能面・装束展。
1993年(平成5年) ニューヨーク メトロポリタン美術館公演。
1995年(平成7年) ニューヨーク セントラルパーク薪能。
1997年(平成9年) アムステルダム トロペンミュージアム公演。
パリ ポンピドゥーセンター公演。
2000年(平成12年) ニューヨーク ピッッバーグ能楽座公演。
オランダアムステルダム日蘭交流400周年記念公演。
オランダ公演(アムステルダム市立劇場・アルクマール聖ローレンス教会)。
ベルギー公演(ブラッセル王立美術館ホール)。
フランス公演(パリ日本文化交流会館・リール商工会議所)。
2002年(平成14年) ニューヨーク テロ1周年追悼公演 蝋燭能。
古典芸能と現代美術のコラボレーション。
フランス・ベルギー・オランダ公演。
2003年(平成15年) ロシア連邦 サンクトペテルブルグ建都300周年公演。
2004年(平成16年) アーツプラン2004年 アメリカ公演。
ボストン(ジョンハンコックホール)。
ニューヨーク(ジャパンソサエティ)。
アトランタ(リアルトセンター劇場)。
ニューオーリンズ(ウエストウィーゴ劇場)。
2007年(平成19年) ニューヨーク公演 セントラルパーク薪能。
2008年 パリ公演
2010年 ギリシャ・オランダ公演

出版物

著書に「まことの花」(世界文化社)。写真集に「能 梅若六郎」(撮影・高橋 昇、平凡社)がある。

1980年(昭和55年) 「五十五世 梅若六郎」 著作 檜書店。
1985年(昭和60年) 「梅若能面百姿」 著作 平凡社。
「梅若の謡」 暁教図書出版。
1998年(平成10年) 「梅若六郎能百舞台」 著作 集英社。
2002年(平成14年) 「能の新世紀 古典~新作まで」 小学館。
2003年(平成15年) 「まことの花」 著作 世界文化社。